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あるがままの世界 [ヴェーダンタ勉強会]

「フォレストガンプ」を久しぶりに見たことを、先日の勉強会で話しました。
もう20年くらい前の映画で、若いころ見た記憶とは全く違った印象でした。
以前見たとき私は、ガンプが一つのことに突き進む姿に、何かを達成する素晴らしさに感動したのだと思います。当時の私は若かったので、それしか見えなかったのだと思います。

今みると自分の見方が変化していて、「あるがままの世界」つまりヨーガでいう「ダルマ」(世界の秩序)を正しく見ることができるガンプだから、あるがままに生きる姿が素晴らしいのかなと思いました。ガンプの知的な障害がそうさせているのかもしれませんが、それによって考えが制限される部分があるので、ガンプはいわゆる周りの人と駆け引きをするような心がありません。


戦争のシーンが出てきます。死にそうな上官をガンプは命をかけて助けだします。上官は生き残ったにもかかわらず両足を失います。上官は「なぜ俺を助けたのか」とガンプを恨み、人生を恨み、荒れた人生を送ります。でもガンプはそんな上官を「あるがまま」に受け入れます。

数年後に落ち着きを取り戻して生活する上官に会います。自分の体を自分の人生を嘆き、荒れていた上官が、あるがままの現実を受け入れた姿を見てガンプが言うのです「神さまと仲直りしたんだ」と、、、。もう本当に美しいシーンでわたくし号泣でございました(笑)


神という言葉はあまり好きではありませんが、この世界を誰が作ったんかと言えば、神としか言いようがないかもしれません。あるがままの世界と仲直りすることとは、ただ現実を受け入れろというだけでなく、あるがままを正しく知るということ。私たちには通常そこが見えないから生きるのが辛くなります。

私たちは自分の意志でこの世界に存在しているわけではないのです。いつ死ぬのかも知らずに目的も知らずに生きています。人生とは行先も知らずに、気がついたら列車に乗せられていた、というようなものです(笑) いつまで乗るのかどこに行くかもわからないから、とりあえず焦って、買えるだけお弁当を買って、より多くの座席を確保して、不安だらけで乗っているようなものですよね。

生きるとは、よく考えると不思議なことです。でもこの真実に目を向けないわけにはいきません。

真実に一切目をむけずに生きていると、何かを頑張らなきゃ、この人生で何かを手に入れなきゃ「幸せになれないよ」という社会が作り上げた妄想に追われます。どうすればより得られるのか、稼げるのか、「いいね」をたくさんもらえるのか…様々なものに苦しめられます。生きるのが嫌になっちゃうかもしれません。それを達成するために、無意識に周りとの駆け引きをしながら生きていたりします。


この映画を見ていると、ヨガのこんな言葉を思い出しました。
「ダルマに沿って生きる人は、ダルマに守られます」

人生の目的は、何かを外側のモノを得るためだけなのではなく、「何か外側のモノを得るためだけに生きているわけではない!」とまず気づくこと。変わらない自分の存在の真実に気づくこと、あるがままの世界に気がつくこと。ここから先はヴェーダーンタで学ぶこと。

この世界にある様々な「How to」で幸せは叶わない。

真実を知るから、この世界のお金儲けも、さまざまな競争も、成功も失敗も、客観的な視点を持って楽しめます。真実がみえてくると、たとえ貧乏でも不健康でもこの世界を楽しめるのだそう(笑)

フォレストガンプの映画が見せたいのは、努力して継続して何かを手に入れ成功させることではなく、「ありのままの世界」を見せるためなのではないかと思えてきました。劇中に出てくる言葉もいいですね。「人生はチョコレートの箱。開けてみるまでわからない。」
まあ映画は儲けないといけないので、ガンプはどんなことでも結局は成功して手に入れるお話なんですよね。でも人間のほとんどはそちらに興味があるのです。

ヴェーダンタを勉強していると何か真実がゆっくりゆっくり見えてきます。
宗教みたいで「神」という言葉は好きじゃないけど、世界はまさに神としか言いようがないミラクルです。そして真実が見えてくると感謝の気持ちがあふれてきますね。
ヨーガの学びは生き方を学ぶこと。How toや考えを学ぶわけではない。
勉強会では「いーしゅわらやなまは」40ページあたりをゆっくり進んでます。

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